マイクロバブル・ナノバブル新たなる可能性!7

もっと知りたいナノバブル

2022年03月10日

マイクロバブル・ナノバブルの新たな可能性7
 
何年か前、シンガポールの下水道処理施設の紹介記事を読んだことがあります。
改めて、ネットで検索してみました。
小さな島国シンガポールには天然の水源がほとんどなく、水自給率を高めるため、トンネルやハイテク処理場のネットワークなどで構成する高度な下水処理システムを開発しています。
再生水「ニューウォーター」と言われるもので、最終的には飲料水として利用されるそうです。この排水処理にマイクロバブル・ナノバブル技術が活用されているかどうかを調べたのですが、残念ながら、マイクロフィルターと逆浸透膜でろ過しているようです。
そう言えば、住友電気工業株式会社が中国で3つの大型下水処理場案件を受注したというニュースがありました。活性汚泥による生物処理と、膜分離による物理処理を組み合わせた排水処理方式(MBR 膜分離活性汚泥法:Membrane Bio Reactor)で、水質改善、運転管理に優れており、排水処理施設の設置面積も大幅に削減できるという優れものです。 https://sei.co.jp/id/2018/04/project/ これも残念ながら、活性汚泥による生物処理の際に、マイクロバブル技術が採用されているかどうかを確認することはできませんでした。
排水処理の技術としては「膜」が注目を集めているようです。
それでは、排水処理分野において、マイクロバブル・ナノバブル技術の新たな可能性はないのかというと、決してそんなことはありません。最新の研究論文を紹介します。 『Water Science & Technology』2022年waponline.com/wst/article/85/1/319/85856/A-review-on-future-wastewater-treatment タイトルは「A review on future wastewater treatment technologies: micro-nanobubbles, hybrid electro-Fenton processes, photocatalytic fuel cells, and microbial fuel cells」です。
一部、内容を紹介します。 「排水処理技術の未来は、大体、処理効率および経済の利点を強調します。物質的な、および化学的な高度な酸化プロセスの使用により、微生物の役割は、汚染物質を効率的に取り除き、エネルギー消費を減らすことを手助けすることだけではなく、電気エネルギーを生み出すための電子運動を収穫することも可能です。 *栗田工業、「微生物燃料電池」を用いた排水処理の実現へ微生物発電セルのスケールアップに成功。
排水処理において、マイクロバブル・ナノバブル技術はSSを浮上分離・分解除去するだけでなく、「微生物燃料電池」という新たな技術に貢献する可能性が生まれようとしています。
これは、またの機会に詳しくまとめてみようと思っています。