ナノバブルで美味しいイチゴ!

もっと知りたいナノバブル

2022年03月21日

ナノバブルで美味しいイチゴづくり
 
ユニークな論文が発表されたので紹介します。
昨年末、『食品化学』誌に掲載された「Preharvest application of hydrogen nanobubble water enhances strawberry flavor and consumer preferences 収穫前の水素ナノバブル水の施用は、イチゴの風味と消費者の好みを満足させます」です。
南京農業大学生命科学研究所生命科学部の発表です。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0308814621029599

要約しますと、
・水素ナノバブル水を収穫前に水遣りすると、イチゴの風味が増します。
・イチゴの風味を損なう肥料の臭いは、水素ナノバブル水によって取り除かれました。
・水素ナノバブル水は、芳香揮発性物質の形成を促進しました。
・水素ナノバブル水の水遣りで収穫したイチゴは、消費者に喜ばれました。
 
果実の風味の改善は、生産者にとって重要な課題です。時間のかかる品種改良の努力で、私たちは美味しい果実を食することができているのですが、収穫前の数週間、水素ナノバブルを施用だけで風味が増すというのは驚きです。
 
実験に使われたイチゴの品種は「紅ほっぺ」で、静岡県が誇る野本の代表的なイチゴであす。
「果実はやや大きめの長円錐形で、果皮はつやのある鮮やかな紅色。果肉は果心部も淡赤色に染まり、よく熟した果実は香りも優れています。甘味が強く酸味もやや強めで、イチゴ本来の甘酸っぱさを堪能できる品種です」と果物図鑑で紹介されています。
この「紅ほっぺ」の風味をさらに増したということですが、通常の水を施用したイチゴと比較すると、揮発性、糖酸比、香り、風味が明らかに強化されたようです。
「エステル系溶剤(例えば、エチルヘキサノエート)、酸(例えばヘキサン酸)、および可溶性の糖質(グルコース、果糖、およびサッカロースを含む)は、水素ナノバブル水によって、かなり強化されたいた。また、肥料のイチゴ果実アロマへのネガティブな状態を緩和するかもしれない。さらに、研究ではっきりしたことは、アロマ関連の遺伝子(FaLOX、FaADH、FaAAT、FaQR、FaOMT、およびFaNES1を含む)は、水素ナノバブル水の施用後に増大している。この研究により、水素の実用的なアプリケーションが園芸の製品品質を高めることができるという証拠が提供された」と結論しています。

現在、弊社もナノバブル水でイチゴの栽培実験(愛媛県にて)を行なっています。水素ではなく空気ナノバブルでも甘みと実の堅さが増すということは確認しています。今後は、香りを含めた風味も検証してみたいと思います。