マイクロバブル・ナノバブル基礎 3

もっと知りたいナノバブル

2022年04月09日

マイクロバブル・ナノバブル基礎 3
 
前回、宇宙泡について取り上げましたが、もっとも気になったのが。以下の箇所です。

宇宙は真空という認識の人も多いため、宇宙空間の空洞って何? と感じる人もいるかも知れません。しかし実際には銀河系内の宇宙空間は完全に何もない真空なわけでなく、地球大気と比べればはるかに希薄ですが、水素原子などの星間物質が漂っています」
「太陽系の周囲の星間物質の密度を調べると、1立法センチメートルあたり0.05原子だとされますが、銀河系の平均密度は1立法センチメートルあたり約0.5原子であり、泡の外と比べた場合、密度の差は10倍近くあります」
「可視化されたデータモデルでは、局所泡( local bubble)と呼ばれるこの巨大な泡が、1400万年前に約15個の星がわずか数百万年の間に連続して超新星爆発を起こしたことで、星間物質を押し出して形成されたことを説明しています」
すなわち、超新星爆発で、原子密度の希薄な空間が広がっており、泡の外との間に境界があるということです。そして、この境界には濃度勾配が存在します。いまは、爆発の勢いで膨張していますが、いつかその勢いがなくなると、泡を囲んでいる銀河から原子が流れ込み、この宇宙の泡は縮んで行くのではないでしょうか。
実はマイクロバブルの説明にハテナと首を傾げる記述があります。
それは、60マイクロメーター以下のバブルは、縮小しながらゆっくりと上昇し、やがて消滅する」というものです。
水中のマイクロバブルは水圧の影響で縮小します。この縮小は、気泡内の気体(窒素・酸素)の濃度を上昇させます。当然、水との間に濃度勾配が生まれます。すなわち、気体は濃度の濃い方から、薄い方へ移動します。
60マイクロメーターのバブルは、圧縮されて小さくなっていくのではなくて、中の気体と水側の溶存気体との間に濃度勾配が生じたことによって、濃度が低くなった水側に漏れ出ていくことで小さくなっていくのではないでしょうか。
気泡内の気体が漏れ出てしまった後は、消えて無くなります。勿論、パチンと壊れたりはしません。
 
瑣末なことですが、「気泡内の気体は、水圧の影響で濃度が上がり、上がった分は濃度の低い方(ここでは水側)に漏れ出して、水中で消滅します」と言い換えたいと思っています。
泡は水中を素早く上昇しますが、水中を上昇するまでに、微々たる量でしょうが、濃度勾配で水側に気体は漏れ出ているのではないかと考えています。
ただ、エアレーションの解説を読んでも、そのように説明されているものは見当たらず、些か不安なのですが、そのように気泡の挙動を捉えています。
 
次回は、ナノバブルの気液界面について考察します。