マイクロバブル・ナノバブル基礎 4

もっと知りたいナノバブル

2022年04月14日

マイクロバブル・ナノバブル基礎 4
 
前回のコラムで、泡の化学は奥が深いと書きましたが、マイクロバブル・ナノバブルを考える上で、いくつかのことを整理しておきます。
まず、マイクロバブル・ナノバブルは純水中で作ったもののみを取り上げます。
界面活性剤や加圧による過飽和の気体は無視します。
ですから、親水面・疎水面の膜で形成される泡、炭酸飲料やビールの泡の説明はしません。
また、水の物性についても触れませんし、コンタミネーション(微粒子)も存在しない水の中の微細気泡に限定します。
 
ただ、詳しくは後述しますが、マイクロバブルとナノバブルは根本的に違うものだと考えています。
前コラムで、60マイクロメーター付近の直径をもつマイクロバブルは、内部の気体が水圧で凝縮され、水の中に溶けている気体との間に濃度差が生じ、その勾配(分圧)によって水の中に移動し、最終的には消滅すると書きました。
この現象は水と気体との間に移動を妨げる「膜」がないからです。
これに対して、ナノバブルは長期間安定してその形状を保ちます。
これは、ナノバブルを形成する「何らかの膜」が存在する証左なのではないでしょうか。
 
では、その「膜」の正体は一体何なのでしょうか。
純水中には水分子(酸素と水素)しか存在しませんので、酸素と水素で構成される何らかのものです。
Moleaer Inc ホームページより
純水をナノバブル化(強力な気液混合)すると、プラスイオン(オキソニウム)とマイナスイオン(水酸化物イオン)が発生します。
そして、このふたつのイオンが電気二重層を形成し、気体を囲む「膜」となると考えています。
次回は、そのあたりのことを、より深掘りをしたいと思います。