マイクロバブル・ナノバブル基礎 2

もっと知りたいナノバブル

2022年04月05日

マイクロバブル・ナノバブル基礎 2
 
石鹸や洗剤の泡、ビールや炭酸飲料の泡、波打ち際や滝壺の泡、メレンゲやホイップクリームの中の泡などなど、泡は身近なものですが、これをサイエンスとして語る時、実に難解なテーマになってきます。
 
そこでまず、バブル(Bubble 気泡)を定義してみます。
液体の中に空気などの気体を含んで丸くなったもの。気体を包む液体の表面張力(凝集力)により形成されます。気泡は液との間に気液界面というひとつの界面を有しています。
液体中に生じた気泡は密度が小さく、上昇して水面に姿を現すと液体側はやや平らになり、空気中に丸く突出します。空気中の部分は薄い液体のになっていますので、次第にそれを構成する液体が流下し、薄くなり、最終的には弾けて壊れます。
これに対して、界面活性剤の薄膜によって形成されるものをフォーム(Foams 泡沫)と言います。泡沫は疎水面と親水面のふたつの界面(膜)を有していますので、泡よりは壊れにくくなります
 
泡と泡沫については、まだまだ深い学問領域であり、数行程度の解説では語りつくせないのですが、マイクロバブル・ナノバブルを取り上げる本コラムでは、液体と気体が接する境界についてのみ考察していきたいと思います。
 
この境界面(一種の膜と言えるのかもしれません)について、面白い発見が本年1月にスタンフォード大学の研究者によって報告されてします。
微小な気泡がテーマですが、境界面について考える時、何らかのヒントを含んでいると思われますので取り上げてみます。
宇宙泡という、微小とは対極のとんでもなく大きな泡です。
参考文献
1,000-Light-Year Wide Bubble Surrounding Earth is Source of All Nearby, Young Stars
https://www.cfa.harvard.edu/news/1000-light-year-wide-bubble-surrounding-earth-source-all-nearby-young-stars
元論文
Star formation near the Sun is driven by expansion of the Local Bubble
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04286-5
日本語解説
https://nazology.net/archives/103249