ナノバブルでこんなことやってみた!Part10
もっと知りたいナノバブル
2020年04月10日
ナノバブル こんなことやってみたPart 10
『ナノバブール』に続く自社商品として、気体を自吸するナノバブル発生ノズルを開発中です。
あと少しのところまで来てます・・・
農業用に開発したものですので、発芽促進を検証する「春」に間に合えばと思ったのですが・・・
今後の「農業革命」のコラムでは、実際の検証現場からの報告を行いたいと思います。
さて、今回の「こんなことやってみた」は自吸ノズルの完成が、農業だけでなく、
魚の養殖にも活用していただけるのではないかというお話です。
養殖において、もっとも大切なことは、飼養水の溶存酸素濃度をいかに高く保つかということです。
魚は酸素が少ないと元気が無くなり、餌食いも悪くなり、成長も促進されません。
そこで、もう一度、水の溶存酸素濃度を上げることと、マイクロ、ナノバブル技術
の関係について整理しておきます。
魚を飼っている水槽でエアレーションを行ないますが、エアーポンプから空気を送り込み、
その空気が先端のエアーストーン(細かい穴が開いています)を通りブクブクと空気の泡を発生させます。
このブクブク泡でも、水の中にいくらかは酸素が溶けるのですが実際に水の溶存酸素濃度を上げているのは
泡が水面で弾けて壊れる時に水面が揺れるからです。
泡自体の存在は溶存酸素濃度を上げることとはあまり関係ありません。
溶存酸素濃度を上げる方法として、この水面で弾けて壊れる泡の膜を薄くすると、
より溶存酸素濃度を上げることができるとして、液薄膜装置を研究している大学もあります。
さて、マイクロバブルも当然浮上しますから、エアレーションと変わりはありません。
微細であるマイクロバブル自体に、溶存酸素濃度を上げる効果を期待することはできません。
では、何故マイクロバブル装置を水中で稼働すると、水の溶存酸素濃度が上がるのかですが、
これはマイクロバブルを作る時に、水と空気を混合させる「気液混合反応」によって、
気体が多く溶けた水になるからです。
溶けきれなかった気体は、バブルになります。
マイクロバブルとは、気液混合反応からを捉えると、余分なものとも言えます。
ただ、ナノバブルは浮上しません。
この浮上しないバブルは水の中に長く存在します。
小さなガスタンクが水の中にたくさんある状態を想像してみてください。
水底の微生物がたくさんの酸素を消費します。その水は酸素濃度が下がります。
そうすると、ナノバブルの中の気体が、濃度勾配によって漏れ出します。
この漏れた気体は水に溶けだしますので、溶存酸素濃度を上げることになります。
養殖においては、ナノバブルを多く発生させることのできるノズルが必要です。
今回開発したノズルが、農業だけでなく、水産の現場でも広く活用していただけるよう、
検証作業を行なうつもりです。