マイクロバブル・ナノバブルの新たな可能性2

もっと知りたいナノバブル

2022年01月27日

マイクロバブル・ナノバブルの新たな可能性2

「日本及び各地域の代表国におけるファインバブル産業の市場規模推移」が調査研究書で紹介されています。
ずっと日本が首位の座に留まっていたのですが、2020年に中国が日本を逆転し、436.2億円(日本は376.8億円)
の市場規模となり、トップに立ちました。集計はまだですが、昨年の2021年も中国がトップを守っています。

また、海外の論文を検索する時、「Noanobubble Read」をよく活用するのですが、
中国の論文が遥かに多く掲載されており、印象としては、基礎研究においてもトップの
座を明け渡してしまったようです。
どうも、どんどん差が開くばかりです。
日本で生まれ、他国に先駆けて開発が進んでいたはずのファインバブル技術ですが、
なぜこうなってしまったのでしょうか。
*その他の国の2020予想は、韓国が85.96億円、米国が105.81億円、英国が74.37億円、
シンガポールが26.94億円となっています。
https://www.nite.go.jp/data/000124270.pdf

市場規模推移で、もうひとつ気になるのは、経産省が
「ファインバブルの経済効果について2030年までに世界規模で12兆円以上に達すると試算。
ファインバブルという新たな産業の出現は、経済の起爆剤、新規ビジネスを創出する糧になるのは必至だ」
との見解を出していましたが、12兆円という数字は大外れで、今の伸び率で算出すると3兆円に満たないという
結果になってしまいそうです。

このような状況を招いてしまった原因を追求し、犯人捜しのようなことをやっても詮無きことですが、
マイクロバブル・ナノバブル技術を展開している企業は、最小限バブルの粒径・濃度・生成方法を明記して
効果を謳うという姿勢を示すべきなのか?
それに加えて荷電粒子数、酸化還元電位、単一の気体を使うなら過飽和値(加えて過飽和から飽和までの濃度推移)
を示せば、ファインバブル(マイクロ・ナノの微細気泡)に何ができるのかが分かるのか?
そうすれば新たな可能性が生まれてくるのか?
研究者の方々にも、同じことを励行して、論文を作成していただければ、われわれ商品開発者にもプラスになるのか?
中々難しい問題です。


さて、本論に入る前に2回分を費やしてマイクロバブル・ナノバブル産業の現状を分析しましたが、
次回からは「新たな可能性」を個別に取り上げていくつもりです。

まずは、酸素溶解効率についてです。
果たして、ファインバブル技術は。これまでの排水処理技術を越えるものなのかどうか、
農業にどこまで貢献できるか、養殖産業に今後普及していくかどうか、
この三つのアプリケーンについて検討していきたいと思います。