マイクロバブル・ナノバブル技術とは!28

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2021年12月06日

マイクロバブル・ナノバブル技術とは!28

マイクロバブル・ナノバブル技術で、シンプルですが大変有効なアプリケーションが「浮上分離」です。
2017年に、資源・エネルギー分野で2社が特許申請しています。

凝集フロックもしくは懸濁物質に微細な気泡(マイクロバブル)を付着させ、気泡の浮力により、
凝集フロックもしくは懸濁物質を高速で浮上させる。
この技術により沈殿法よりも4倍以上の能力を発揮することができる、と解説されています。

弊社の洗濯用の「ナノバブール」も、この原理を応用したものです。
汚れに多くのナノバブルが吸着し、洗濯機の攪拌力で布から汚れを引きはがし、浮上させるというものです。

さて、いくつかのメーカーの技術を紹介しますが、その前にこの動画をご覧ください。
「マイクロバブルによる汚泥の浮上実験
https://www.youtube.com/watch?v=V_lis32Pl1o
マイクロバブルが汚れを浮上させていることが分かります。

ただ、この技術にもマイクロバブルの「質」が大きく関係します。
それは、マイクロバブルの持続時間です。これは粒径と濃度と言い換えることが可能です。
浮上分離においては、白濁したマイクロバブルが微細であればあるほど、SS(懸濁物質)
に絡み付いて上昇させる力があります。
ですから、白濁度が長く保たれているマイクロバブルを生成できるノズルを採用すべきです。
目安としては、120秒以上といったところでしょうか。
*この数値を公表していない場合、実際に自社で検証し、その後に導入すべきかどうか、判断すべきでしょう。

この浮上分離技術は、油水分離にも活かせます。
このような実験が報告されています。
「油で汚染された土壌等を洗浄した際に発生する油汚染水は、これまでろ過や凝集沈殿剤を用いて処理されてきました。
これらの方法には、効率や処理後の廃棄物に課題があります。プラント関連
そこで、マイクロバブル・ナノバブルを油汚染水に注入し、ナノバブルにより微細油滴の凝集を促し、
マイクロバブル表面それらの油滴を付着させ、液面上方に浮上させることによって、
油層と水層への分離を試みました。
実際に、10?の分離塔を用いた油水分離実験では、回分式、連続式ともに90%以上の油分を
除去することに成功しています」。

まだ途上の技術のようですが、油に汚染された水域の水質改善にはもってこいの技術だと思われます。
今後の技術の進展に期待しています。