マイクロバブル・ナノバブル技術とは!13

もっと知りたいナノバブル

2021年08月16日

マイクロバブル・ナノバブル技術とは!13

今回のテーマは、マイクロバブル・ナノバブル技術が水質改善の方法として、
もっとも優秀な技術であるかどうかを検証することです。

バブルをマイクロレベルまで微小化すると、バブリング式のバブルと比べて、
泡の表面積が広がるため、気体が液体に溶け込む量が増えるというのが理論的背景です。
これは、確かにそうなのでしょう。
貧酸素の液体に、酸素が移動する効率は高まります。

ただ、ここで考えなければいけないことは、泡の表面積を広げるために、バブルをより微小化し、
濃度を上げれば良いかというと、また違った観点からアプローチしなければなりません。
粒径が50μm以上のバブルは浮き上がり、表面で液泡となって弾け、液体表面に気体を溶け込ませます。
1?50μmのバブルは、徐々に縮小し、液体の中で消滅しますので、液体に気体を供給したことになります。
それでは、それ以下のナノバブルの場合はどうでしょうか。
少し奇異な印象を抱くのですが、ナノバブルの安定性を強調される研究者が多数おられますが、
安定して壊れずに液体中にずっと漂っていても、液体へ気体を供給することができません。
50nm以下のナノバブルは水酸化物イオンの雲に囲まれていますので、非常に安定性の高いバブルです。
3年たっても安定しているという報告もあります。
もし、数μmの好気性微生物が、このナノバブルを食べて酸素を補給しているとしたら、
ナノバブルも約には立っていることになりますが・・・。
例えば、ナノバブル水の濃度(個数)をナノサイトで測定しておき、
そのナノバブル水に好気性微生物を懸濁させます。
数時間後に、フィルターで微生物を取り除き、再度、ナノバブルの個数を測定すれば、
微生物がナノバブルを費消したかどうかが分かります。
時間があれば、ぜひ検証してみたいと思います。

さて、これまで進めてきた話は、「マイクロバブル・ナノバブル曝気」が、
これまでのブロワーで行なっていた曝気方法より優れているというものですが、
それだけではない効果があるのではという考察です。
それは、マイクバブル・ナノバブル技術で作った後の「水」のことです。
この水は酸素過飽和になります。
機種によって異なるのでしょうが、ある装置で、空気を使って作った水は、
20?25ppmの酸素を含んだ過飽和水になりました。
加えて、この水の酸素濃度は、開放したまま翌日DO値を測ったのですが、
15ppm(25℃)を維持していました。
*酸素ボンベで行なうと45ppmにまで酸素濃度が上がります。
これは、窒素を追い出していますので、その分、酸素が増えるのだと思います。

この水を湖底に流し込むことで、微生物をより活性化できるのではないか、
そんな夢が膨らみます。
次回は、なぜ持続的過飽和水が、マイクロバブル・ナノバブル水の生成過程で生まれるのか、
その謎に迫りたいと思います。