ナノバブルとは何か!16

もっと知りたいナノバブル

2021年03月24日

Bulk nanobubble(バルク・ナノバブル.液体中に独立して存在するナノバブル)をよく知るために、
今回のコラムではSurface nanobubble(サーフェス・ナノバブル。疎水面に吸着している半球状のナノバブル)について考察してみます。
*Surface nanobubble、Interfacial nanobubbleは同じものです。日本語では、固液界面ナノバブルです。

サーフェス・ナノバブルは、原子間力顕微鏡で観察します。
*原子間力顕微鏡(AFM):資料の表面と探針の原子間に働く力を検出して画像を得る顕微鏡。


サーフェス・ナノバブルのAFMイメージ
オランダのトゥウエンテ大学・D.Lohse教授


サーフェス・ナノバブルとは、疎水性(撥水性)表面と液体との界面に存在する非常に薄い気体の「層」です。
上のイラストのように、「半球型」や、上部が扁平状になった「パンケーキ型」が観察されます。
大きさは、高さが20?30nm、直径が100?700nmほどです。

さて、このナノバブルの液体と気体の界面は、どのようなもので化学的に形成されているのでしょうか。
バルク・ナノバブルのようにイオンの殻で形成されているのでしょうか。

これはサーフェス・ナノバブルの作り方を考えれば、容易に想像がつきそうです。
次回は、福岡大学・西山貴史助教授の『原子間力顕微鏡を用いた固液界面ナノバブルの観察』
と題した論文を参考にしながら、サーフェス・ナノバブルの界面について考察します。