ナノバブルとは何か!1

もっと知りたいナノバブル

2020年12月02日

ナノバブルとは何か1

さまざまな議論がなされているナノバブルですが、弊社もナノバブル発生ノズルを扱っている企業として、
ナノバブルについての「見解」を明らかにしておくべきだと考え、新コラムでは“ナノバブルとは何か”
と題して纏めていきたいと思います。

さて、ナノバブルを考察する上で、次のことについて触れなければなりません。
?ナノバブルは何でできているのか。
?ナノバブルがバルク水中で、安定的に存在できるのはなぜか。
?ナノバブルに物理的・化学的・生理的特性はあるのか。
?特性があるとして、それはどのような粒径・濃度なのか。
まだまだ、解明すべきテーマはありますが、まずは、この四つに絞り込んみます。

それでは、難問中の難問であるナノバブルは、何でできているかです。

ミリバブル、マイクロバブルは気液界面をもっています。
そして、その表面張力によって、バブルが形成されます。
これらのバブルは液中を上昇し、最後は表面で弾けて壊れます。ところが、
10マイクロメーター近辺のバブルは、液中で表面張力によって縮小していきます。
そして、最終的には、消えて無くなります。
これが、初期のころのマイクロバブルの謎でした。
「マイクロバブルは水中で収縮してマイクロ・ナノバブルになり、さらにナノバブルとなる。
大成氏は マイクロ・ナノバブルは、数 100 nm から10μm前後、ナノバブルは数100 nm以下の気泡と定義しておられます。
*この100nm以下という捉え方が、どうやらファインバブルとか、ウルトラファインバブルという呼称を生んだのでしょうが、
現在、世界中に多くのナノバブル研究者が居られますので、日本独自のこの呼称は避けるべきでしょう。
今後、議論を海外の方と進める上でも、“ナノバブル”に統一すべきだと思います。

大成氏はその後、『マイクロバブルの収縮パターンと電位特性』という論文を発表されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/prohe1990/51/0/51_0_1397/_pdf/-char/en

この論文では、マイクロ・ナノバブルが収縮して、ナノバブルになるのではなく、
収縮の過程で、バブル内の気体が噴出していくことを報告されています。
そうすると、マイクロ・ナノバブルは、一定の時間が経過すれば消えて無くなるわけですから、
マイクロ・ナノバブル水というものは存在しないということになります。

では、ナノバブル水(ナノバブルが存在する水)というのは、どのようなものなのでしょうか。
次回は、表面張力で形成される気液界面マイクロ・ナノバブルではなく
、電位の“殻”で形成されるナノバブルについて解説します。