続・農業革命3

もっと知りたいナノバブル

2020年08月31日

続・農業革命 3

前回のコラムでは、水に酸素が“溶存”しているということについて考察してみました。
本当は溶けているのではなく、水の分子に酸素や窒素が吸着しているのではないかという考え方です。
水は、結構スカスカで空間があり、そこに気体が存在していれば(溶けている?)、気体は軽いので、
すぐに浮上して気化してしまうでしょう。
二酸化炭素は、水分子に酸素や窒素ほど多く吸着できず、スカスカの空間に圧力のもとで存在しているので、
圧力から解放されれば、泡となって浮上するのではないでしょうか。
あくまで、仮説ですが…。

水耕栽培における「施水」について調べてみました。
水の酸素濃度を上げる方法には、いろいろあるのですね。少し、驚きました。
同時に、どの方法(技術)が、もっとも効率的なのか、よく分からなくなりました。

まず、代表的なものはエアレーションでしょう。曝気、バブリングも同じものです。
ただ、この方法は酸素移動効率では劣った技術です。
水面で、気体が弾ける時に、泡の中の気体が水に吸着する(溶存という言葉は使いません)のですが、
激しくブクブクしても、移動効率は期待したほど上がらないようです。

水面で泡が弾け、より酸素移動効率を上げる技術に、「液薄膜」方式というものがあるようです。
山口大学環境工学科・今井剛教授が第一人者です。
「液膜式酸素供給方法の開発」を研究されています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/proes1992/44/0/44_0_175/_pdf/-char/ja
ここで、論文をお読みいただけます。

恐らく、液泡が割れる時に、薄膜を形成していた水に酸素が吸着するのではないかと類推しています。

もうひとつ、ユニークな技術を紹介します。
「酸素ファイター」という装置があります。
紹介記事に、『逆転の発想から生まれた溶解技術』。水の中に酸素を入れるのではなく、
酸素(気体)の中に水を通すことで、100%気体を溶解させることを実現しました。
これにより、高濃度の酸素(気体)を含む水を作れるようになりましたと書いてあります。
溶解させると有りますが、水の分子に酸素が吸着するという考えに立つと、液体を微細化させて、
気体の中を通しているのではないかと思います。
液薄膜方式も、酸素の中に液体を通す技術も、気体と水との接触面を多くするということなのでしょう。

接触面が多くなると、水分子に吸着する気体の量も増す筈です。
その観点からすると、ナノバブル技術も、ほぼ同様と考えてよいと思います。
次回は、そのあたりのこと纏めてみます。