続・農業革命2

もっと知りたいナノバブル

2020年08月19日

続・農業革命2

このコラムでも、溶存酸素濃度という言葉が何度も登場しました。
ただ、この「溶けて」「存する」とは、どういうことなのでしょうか。
本当に、水に気体が溶けているのでしょうか。

勿論、水の中に気体は存在しています。
しかし、それは「溶けている」のではなく、
水の分子に気体が吸着している状態なのではないでしょうか。
温度によって、気体が水の中に存在する量は変化します。
水は温度が上がることによって、水分子の活動が活発になります。
この活発さによって、水分子に吸着している気体が剥がれていく、
そんなイメージが湧いてきます。

それがどうした、というわけではないのですが、「溶存」という言葉を、
別な言葉に言い換える日が来るかもしれません。
水の研究をされている物理学者が、このことをテーマにして、「溶けているのか」、
それとも「水分子に吸着しているか」を、ぜひ解明してもらいたいと思っています。

なぜ、こんなことを考えたのかと言いますと、
実はナノバブルが大量に水の中に存在していたとしても、
酸素濃度が数値として高くなるかというと、それほどでもないのです。
期待したほど高い濃度ではないのです。
しかし、植物の根は確実に「高い酸素濃度」の恩恵を受けて、成長しているようです。

可能性として考えられるのは、水の分子に吸着している気体の量は温度によって決まりますが、
ナノバブルが存在すると、ナノバブルの気液界面に、
余分に気体分子が吸着するのではないかと想像できるからです。
あくまで、想像の域は出ないのですが、ナノバブルのガス・リザーブ
(バブルが気体を溜めておくタンクの役割を果たす)
という働きだけではなく、ナノバブル自体が気体を吸着・保持しているのではないかと思うのです。

水耕栽培で、根が酸素を消費すると、酸素濃度は下がります。
ナノバブルで栽培して、酸素濃度が下がらなければ、
ナノバブルに溜められていた気体(空気ナノバブルなら、20%の酸素)
が放出されたことになります。
しかし、ナノバブルが液中に止まっているとしたら、別な気体が存在したことになります。
すなわち、ナノバブルが界面に保持していた気体が存在するということです。

ちょっと寄り道ですが、検証可能であれば試験してみたいと考えています。