世界のナノバブル最新情報 ! Part 6
もっと知りたいナノバブル
2020年03月15日
世界のナノバブル最新情報 Part 6
水耕栽培とナノバブルに付いて、興味深い報告がありましたので紹介します。
昨年末、オーストラリアのブリスベーン市にあるクイーンズランド大学で行われた国際熱
帯農業会議で発表されたものです。
水耕栽培の代表的なものにDFT方式(湛液型水耕法)というものがあります。
ただ、DFT方式では根が培養液に浸かっているので、根に十分な酸素を供給できず、
酸素不足になってしまうケースがあります。
そのため根を全体にひたらせる場合のDFT方式では、エアーポンプなどを使って定期的に
培養液中に酸素を取り込ませる方法を採っています。
ところで、水に溶けている酸素の量は、水温によって変わるということをご存知でしたか。
水温が高くなればなるほど、溶ける酸素量は少なくなっていきます。
では、水温を下げればよいかというと、あまりに低すぎると成長に悪影響がでます。
熱帯地方では、気候変化による熱波の影響で、どうしても水耕栽培に使用する水(湛液)の
温度が上がってしまいます。
自ずと酸素不足に陥り、生産性を著しく落ちてしまいます。
報告では、酸素濃度を上げるための戦略として、水温が30度近辺になった時はナノバブルを使い、
酸素濃度レベルを維持することが望ましいというものです。ナノバブル(直径の200 nm以下)は、
負の電荷をもつため、長い間、水中に滞留することができます。酸素が根から吸収され、
湛液の酸素濃度が低くなった場合、このナノバブル(ガス・タンク)に入っていた酸素が溶けだし、
酸素濃度を高めます。
この報告では、14?48℃の幅の空気ナノバブル水の安定性が調査され、
水耕栽培システムの溶存酸素濃度を管理する手段として、効果的な解決策になると結論しています。
日本は熱帯ではありませんが、6月?9月末まで、厳しい暑さが続くことがあります。
屋外にある水耕のハウス栽培を行なっている農家の方は、猛暑の場合、湛液の温度を管理しなければ
なりません。
最適な水温は14?25℃です。ただ、チラーを導入しようとすると、導入費用がバカになりません。
ナノバブル生成ノズルなら、導入費用が安くて済みます。
また、わざわざ、純粋な酸素ナノバブルを作る必要はありません。
空気ナノバブルで充分な効果が望めます。
これまで、植物の成長促進の観点からナノバブルを取り上げてきましたが、
猛暑対策としても注目していただきたいと思います。