世界のナノバブル!最新情報!Part4

もっと知りたいナノバブル

2020年02月11日

世界のナノバブル最新情報 Part4

今、世界では、ナノバブル(バルクナノバブル)の安定性に関する議論が盛んに行なわれています。
以前よりナノバブルが浮上せず、長期間、安定的に水の中に存在し続けるということを紹介しました。
では何故、そのような特性をもつのか、その原理が未だ解明されていないのです。
例えば、平成28年に完了した『ナノバブルの形成および挙動に関する大規模シミュレーション』では、
次のような報告がなされています。
OHイオンやH3Oイオンのような+?イオン同士が、束縛しあいながら界面付近に留まっている。
また、界面表面は分極しており、この分極は水分子による影響が大きく、100nm程度の半径のバブルでは、
水中の圧力と気体の圧力差が、1気圧弱で安定化している。
https://www.jamstec.go.jp/es/jp/project/sangyou_report/H27_DAIDO_METAL_jp.pdf

海外でも、興味深い報告が発表されています。
『ナノバブルの安定性』 Environmental Engineering Scuence Vol.35
ナノバブルの気泡サイズ分布とゼータ電位を決定するために、包括的な実験室での調査を行ないました。
気泡サイズが、水へのガス溶解度に依存し、ゼータ電位が気液界面のOH生成能力に関係していることが分かりました。
ナノバブルがゼータ電位によって、安定しているという内容です。

また、『バルクナノバブルの存在と安定性について』American Chemical Society 2018の報告では、
バルクナノバブル含有水は、何ヶ月間も安定しており、その間、粒径は変化せず、気泡の合体、気泡の破裂、
オストワルド熟成も起きませんでした。
測定では、これらのナノバブルは負に帯電しており、ゼータ電位は時間経過とともに変化することはありません。
この一定の電荷が、ナノバブルを安定的に長期間、存在させることができる理由という報告です。

“気液界面上の電荷”が、ナノバブルの安定性に寄与しているという考えは、多くの指示を得ているようです。
ただ、未だに解明されていなことも多く、今後の研究を注意深く見守っていく必要がありそうです。