世界のナノバブル最新情報!Part1

もっと知りたいナノバブル

2019年11月20日

世界のナノバブル最新情報 Part1

微細気泡に関する研究は、数年前まで、日本が世界をリードしていると言われていましたが、
どうやらすでに追いつき追い越されているのではないかと思います。
と言いますのも、基礎的な研究や、新たなアプリケーション(ナノバブルの活用)の報告が、
世界中で次々と発表されているからです。
2019年だけでも、200本以上の革新的な内容の論文が発表されています。
すべての抄録(英語)がネット上で読むことが可能です。
日本に目を転じてみると、マイクロバブル、ナノバブルの基礎研究の論文がまったく発表されていません。
また、色々な情報が発信され、訳のわからない混沌とした状況に陥っているのでは・・・
少し心配しております。
10年近く前、京都大学名誉教授の芹澤先生が、「マイクロバブル、ナノバブルについて、
やや厳密さに欠ける情報が巷間に氾濫している」と警鐘を鳴らされておられましたが、
今に至っても、相変わらずの様子なのかもしれません。
*「ナノ」という言葉が、主に欧米の方々にあまり良い印象を与えないという理由で、
ファインバブル、ウルトラファインバブルという言葉を使おうと呼びかけておられますが、
世界ではそのような言葉を使う論文は、ほぼ皆無であり、世界基準として、
今後は国内でもマイクロバブル、ナノバブルという呼称を使うべきではないかと思います。

前述で混沌と書きましたが、否定的なことを言うつもりは全くございません。
ただ、以下のことだけは提言しておきたいと思います。
「信頼できる測定装置での、マイクロバブル、・ナノバブルの粒径・濃度を発表しているかどうか。」
*最低限、ナノバブル発生のエビデンスは公表することが重要ではないでしょうか。

2019年に発表された気になる論文を紹介したいと思います。
現在進行中の「農業革命」に関連する論文です。
Journal of Agricultural and Food Chemistry 2019 September 5に、掲載されています。
『有機農業におけるトマト栽培において、酸素ナノバブルは成長と生産量の増加をもたらす』
有機肥料のバイオミネラリゼーションを改善し、作物生産を強化するテクノロジーの開発は、
伝統的な農業から、環境にやさしい有機農業への転換を達成するために必要である。
酸素ナノバブルの使用は、窒素とリンを多く吸収する効果があった。
また、β-14-N-アセチル基グルコサミニダーゼホスファターゼ、α-1、4グルコシダーゼβ-1、
4キシロシダーゼペルオキシダーゼ、およびフェノール・オキシダーゼを含む酵素の活動も
かなり活発であった。加えて、土壌微生物のバイオマス、活動、および多様性は、
酸素ナノバブルを使用することによって改善された。
最終的に、酸素ナノバブルで栽培したトマト生産量は、23%増になった。

今後も、世界の興味深い「ナノバブル研究」の動向を紹介していければと思います。