トピックス「ナノバブルの安定性」

トピックス「ナノバブルの安定性」

繰り返し議論されてきたことですが、ナノバブルの安定性について驚くべき報告がありました。

『バルク・ナノバブルは静電気相互作用によって安定できるでしょうか?』というものです。
著者は、深圳大学高等研究所のShuo Wang教授、広東省光電子デバイス&システム主要研究所のLimin Zhou教授、
上海先端研究所の Yongxiang Gao教授です。
https://en.x-mol.com/paper/article/1417576218593165312

内容をごく掻い摘んで紹介します。
「これまで、ナノバブルの表面に蓄積された電荷から生じる静電応力が、
ラプラス圧力とバランスをとることによって安定性を持つと考えられてきました。
このメカニズムは、過去10年間以上、ナノバブル分野で広く議論されてきましたが
、静電効果を計算する時、拡散二重層の応力は見落とされてきました。
そこで、古典的な二重層理論を使用して、効果を再計算してみました。
実験的に測定されたゼータ電位と組み合わせると、
静電圧力とラプラス圧力の比が10のマイナス2乗より遥かに小さいことが分かりました。
これは静電相互作用がバブル・ナノバブルを安定させる主な要因ではない可能性があることを示唆しています」。

電気化学には疎いので明確に理解できてはいないのですが、ナノバブル表面とナノバブルを囲むOH-
(水酸化物イオン)の間には薄い層が存在しており、
この層を無視して安定性を語ることができないということなのでしょう。
圧力が均衡でないなら、ナノバブルの安定性は別な要因によるものということになります。

拡散二重層、および拡散電気二重層、ゼータ電位については、大塚電子のホームページが参考になります。
https://www.otsukael.jp/weblearn/chapter/learnid/69/page/1#:~:text

さて、ナノバブル研究者は、この報告をどのように読むのでしょうか。
今後の「ナノバブルの安定性」に関する新たな展開が楽しみです。