マイクロバブル・ナノバブルとは!10

マイクロバブル・ナノバブル技術とは!10

前回予告したように、「気液混合」について、取り上げます。
マイクロ・ナノバブル発生装置と気液混合装置は、ほぼ同じものです。
また、攪拌機も同じものと言えるでしょう。
たとえば、撹拌においては、攪拌する「翼」の形状の違いから、
剪断力(物を壊す力)の強いもの弱いもの、発生する流れの速いもの遅いもの、
また、流れの形(障害物のある流路)を工夫することで向心力と遠心力を利用するもの、
衝突力を利用するものなど、さまざまな混ぜ方があるわけです。
流れを上手く使う事によって、液体と液体を混ぜる、
固体や気体を液体に混ぜ込ませることが出来るのです。
お気づきだと思いますが、これらはほぼマイクロバブル・ナノバブルを発生させる方法です。
液体に気体を混ぜ込ませると、その気体は液体の中で「泡」になります。
すなわち、気液混合を行なうと、副生物(?)として、どうしてもバブルができてしまうのです。

かつては、このバブルを消すための「消泡技術」が盛んに研究されていました。
しかし、いつの間にか、厄介ものであった、このバブルそのものが注目されるようになったのです。
そのひとつが、貧酸素の水に、効率よく空気(酸素)を混ぜ込ませるために、
気体をマイクロバブル・ナノバブル化すると良いのではというアイデアです。

従来の代表的な貧酸素改善技術は、エアレーション(散気・曝気)です。
ただ、エアレーションではどうしても「泡」が大きくなってしまいます。
そこで、微小な「泡」にして、酸素移動効率を上げるというわけです。

確かにネットで検索すると水質改善にマイクロバブル・ナノバブル技術を導入した例が多く紹介されています。
理論的にも酸素移動効率の良さは実証されています。
しかしながら、期待するほど普及はしていないようです。
マイクロバブル・ナノバブル発生装置を導入して、水質改善に成功しているところは、それほど多くないようです。
「御社の装置を利用して、水質改善ができないか」という問い合わせが寄せられることがあります。
その時は、「どこまでのことを改善することを期待されているのでしょうか」という質問をさせていただきます。
と言いますのも、改善すべき流量や環境によって、取組みがまったく異なってくるからです。

興味深い検証作業がありましたので、紹介します。
長野県諏訪湖で行われた「ナノバブルを活用した貧酸素及び底質の改善効果 検証業務」です。
2019年8月21日から9月6日まで、16日間、湖底にナノバブル化した酸素を連続供給した検証です。
https://www.pref.nagano.lg.jp/suwachi/suwachi-kankyo/kankyo/suwakojoka/documents/nanobubble.pdf
結論として、狭い範囲の貧酸素状態を改善できたとしても、諏訪湖の40%の水質を改善するために、
30,000台のナノバブル発生装置が必要であり、導入費用やランニングコストを考えると、
到底、マイクロバブル・ナノバブル技術導入には至らないというものです。
次回は、マイクロバブル・ナノバブル技術は、この壁をクリアーできるかどうかについて、考察してみます。