マイクロバブル・ナノバブル技術とは!9

マイクロバブル・ナノバブル技術とは!9

今回から、水質改善、排水処理の領域におけるマイクロバブル・ナノバブル技術
について取り上げていきます。
このコラムで参考にしている平成28年度編纂『ファインバブル技術・
特許出願技術動向調査報告書』では、環境分野において12社が紹介されています。
この12社の中で「水質浄化」で特許を出願した3社のその後の動向を見ていきます。

(株)建設技術研究所は、東京証券取引所市場第一部の大会社ですが、
早期からマイクロバブル技術に取り組んでおられます。
「マイクロバブル技術とは、微細気泡を発生させ、浮上分離による水質浄化や、
ダム湖や湖などに溶存酸素を供給するなど、その用途は多様である」
「山口大学、宇部高専、バブルタンク、新光産業の四者による“マイクロバブルを
用いた水質浄化研究”は、ダム湖等閉鎖性水域の水質浄化など、多方面に活用できる技術と考え、
国土文化研究所(関連会社)では共同研究に参画すると共に、
マイクロバブル発生装置である気体溶解量調整装置は連名で国際特許を出願し、
国内通常実施権契約を交わした」と、マイクロバブル研究への取組みを解説されています。
http://www.ctie.co.jp/kokubunken/pdf/publication/2004_03.pdf
そして、水環境改善への効果項目として、以下を挙げておられます。
・ 溶存酸素の増加による水生生物の育成や好気性菌の活性化
・ 大量の微細気泡の集合による流動の形成により表層の溶存酸素を深層に供給
・ 水分子の微細化により活性化し、酸素供給能力や反応速度の促進を図る
・ 微細気泡が水中浮遊物に吸着し、SS (suspended solids:懸濁物質、浮遊物質)の分離浮上を促進する
・ 微細気泡の増大による水生生物の成長促進や生理的活性化を促進
・ 溶存酸素の増大により栄養塩の増大の抑制
・ 溶存させる酸素に無声放電を行ってオゾンを発生し、オゾンを微細気泡に封入し拡散させることにより殺菌効果を増大

マイクロバブルにSSを吸着させ、分離浮上させることと、オゾンによる殺菌を除けば、水質改善は酸
素を供給することのようです。
酸素供給には、さまざまな方法があります、
ただ、貧酸素の液体に酸素を供給することは、さほど難しいテーマではありません。
物理法則で酸素の飽和値は決まっており、液体を流動させれば、酸素は飽和値まで溶け込んでいきます。
ただ、そこには技術的な優劣があり、マイクロバブル技術には、曝気技術以上に、溶存酸素を上昇させ
る効果があるということです。
加えて、マイクロバブル技術にも優劣があります。
液体に気体を溶存させるには、マイクロバブル発生装置内での気液混合力が問われますが、どこまで液
体と気体を微細に砕くことができるかが技術の優劣を決める鍵です。
さまざまな企業がマイクロバブル・ナノバブル技術を活用し、いろいろな装置やノズルを開発していま
すが、気液混合力を評価する基準ができれば、水質浄化の分野で、マイクロバブル・ナノバブル技術が。
より普及していくと思います。
次回は、その気液混合力について、もう少し掘り下げようと思います。