マイクロバブル・ナノバブル技術とは!3

マイクロバブル・ナノバブル技術とは!3

今回は、ライフサイエンス分野の取組みを紹介します。
マイクロ・ナノバブル技術がもっとも普及した分野であり、弊社も「ナノバブール」を市場投入しています。
さて、4年前の「特許出願技術動向調査報告書」を読むと、第一三共㈱の超音波造影剤、
ヤマト科学㈱の減菌装置、㈱ヤマザキの美容洗顔器が紹介されています。

第一三共㈱の「ソナゾイド注射用」は、このコラムでも一度取り上げましたが、
ペルフルブタン(C4F10,PFB)ガスを水素添加卵黄ホスファチジルセリンナトリウムで
安定化したPFBマイクロバブルを有効成分とし、超音波検査における肝腫瘤性病変の造影を
目的とするもので、医薬品として認可されています。

このソナゾイド以外で、認可されたものはあるかどうか、調べてみましたが、見つかりませんでした。
そこで、超音波造影剤としてのマイクロ・ナノバブルが、現在どのように位置づけられているのかを
見てみることにしました。

いろいろな先進的な研究がありますが、今回は帝京大学薬学部薬学科の鈴木亮教授の取組みを紹介します。
赤血球よりも小さい数㎛の気泡(マイクロバブル)に超音波を当てることで、狙った細胞や組織に集中して
薬剤を届けるDDS(ドラッグデリバリーシステム)が、がん治療や脳・中枢神経系疾患の治療に役立つと期待し、
鈴木教授は、この小さな気泡にさまざまな機能を付与して新たな可能性を拓こうとしておられます。
理論的には、血中のマイクロバブルに超音波を当てると、マイクロバブルの収縮や膨張(振動)が起こり、
徐々に超音波のエネルギーを高めていくとマイクロバブルが圧壊します。
このようなマイクロバブルの振動や圧壊による機械的な作用が血管内で誘導されると、
超音波を照射したエリアの血管壁が押し広げられ、血管に小さなすき間が空き、
この隙間から血管内を流れている薬物が血管外の細胞や組織に漏れ出るというものです。
必要な細胞・組織にピンポイントで薬を届けるという
「ドラッグを必要なところにデリバリーするシステム」です。

この血管にマイクロバブルを注入して、DDSとして薬物を届ける取組みと、血管造影剤として使用する取組み、
またマイクロバブルの圧壊時の物理的作用を利用しようとする取組みなど、
マイクロ・ナノバブル技術は、さまざまな可能性を秘めています。
世界的に見ても、超音波とマイクロ・ナノバブルを同時に利用する技術は、
医療の分野でもっとも注目されています。論文の発表数も群を抜いています。

次回のコラムでは、マイクロ・ナノバブルの医療分野でのさまざまな取り組みを、二回にわたって紹介します。