ナノバブルとは何か!8

ナノバブルとは何か!8

気体を内包しているナノバブルの存在を証明するためには、どのような「殻」
で気泡が成立しているのかを解明する必要があります。
それが解明できなければ、流体力学の専門家を説得することができません。

気泡は、表面張力によって球形になります。このとき、バブル内部の圧力は,
周囲の液体の圧力よりも少しだけ高くなっています。ラプラス圧力と言うのですが、
気泡内の圧力は半径に反比例するため、バブルが小さいほど大きな値になります。
液中の場合、半径 1 µm のときのラプラス圧力は 1.5 気圧、半径 100 nmでは
15 気圧に達します。
バブルの周囲の液体が1気圧の場合、バブル内部の圧力は1 気圧を上回っていますので、
バブル内部の気体は、次々と周囲の液体に溶けだすはずです。もしくは、裂壊するはずです。
その結果、バブルは完全に消滅します。
この消滅に要する時間は、Epstein–Plesset の式で計算でき、半径 1 µm では10 ms、
半径 100 nm ではわずか 80 µsです。これが流体力学の専門家の多くが、
安定なナノバブルが存在しないと考える理由です。
逆に、ナノバブルの専門家にとっては、なんとしてもこの謎に挑まなければなりません。

そこで彼らは、ナノバブルの安定化のメカニズムを、これまでの気液界面として捉えるのではなく、
何らかの「殻」が気体を囲んでいると想定するわけです。

いくつか、安定化のメカニズムとして唱えられている説を紹介します。

スキン説 :バブルの表面(界面)が、有機物で覆われていて、気体の拡散が起きない。
粒子割れ目説 :不純物の固体粒子に気体がトラップされている。
多体説    :ナノバブルが多く存在する時、液体は過飽和状態が保たれるため安定する。

しかしながら、これらの説にはいくつかの弱点があり、いまひとつ説得力に欠けるようです。

いま、主流になっているナノバブルの安定化理論は、ナノバブルがイオンの「殻」
で囲まれているというものです。弊社も、OHラジカルが気体を内包する「殻」を形成し、
その周りをHイオン(正確にはH3O)が囲んでいると捉えています。
これは、ナノバブルがマイナスに帯電しているということから導き出された理論です。

ただ、この安定化のメカニズムに関しては、まだまだ掘り下げていく必要があります。
これからも、内外の論文や報告に即して、このテーマに関して取り上げていくつもりです。