ナノバブルとは何か!5

ナノバブルとは何か!5

今回は「nanobubble or not nanobabble 続く論争」と題して旬の話題を提供したいと思います。
参考にする論文は、英国バーミンガム大学エドバンス化学工学部所属のAnanda J Jadhav氏の
『Response “Comment on Bulk Nanobubble or Not Nanobubble”That is the Question』です。
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.langmuir.9b03532

ナノバブルと言われているものが、果たして気体を内包しているバブルなのか、
それとも「ナノ・エンティティ 粒子状の不純物質」なのかを解明しようとした報告です。

詳しくはお読みいただくとして、いくつかの実験の中で興味深かったものを紹介します。
それは、ナノバブル水を乾燥させるというものです。
「ナノバブル含有液を完全に蒸発させた時、何が起きるのかを実験した。
ガラスフラスコに容れた20Lのサンプルを24時間、温度60度のオーブンに保管した。
完全な蒸発の後、空のフラスコをオーブンから引き出し、室温で約1時間、冷却した。
もし、不純物質が存在するのなら、フラスコ内部表面に痕跡が残っているはずです。
これをNTA技術によって分析した結果、不純物質は含まれておらず、蒸発中に消失した
ナノ・エンティティは気泡であった証拠である」というものです。

実はこのような実験を自社のナノバブルで試みたことがありました。
大がかりな分析装置を持ち合わせていないので、小さなビニール袋にナノバブル水を容れ、
空中に固定し、ナノ・エンティティが沈澱するように数日間その状態を保ちました。
そして、レーザーポインターで観察します。
最初の状態では、くっきりと線が確認できました。そして数日後のものに同様のポインターを当てます。
結果、まったく変わらない線がくっきりと浮かびます。
厳密な実験とはさらさら言えませんが、その線は不純物質に反射しているのではなく、
ナノバブルであると確信しました。

さて、この実験に対する反論も発表されています。Dmytro Rak氏とのMaruan Sedlak氏の報告です。
『Journal of Surfaces and colloids』2020年12月16日に掲載されています。
フルテキストは下記からアプローチして下さい。
https://read.qxmd.com/read/33325226/comment-on-bulk-nanobubbles-or-not-nanobubbles-that-is-the-question

これまでの多くの研究で、ナノ・エンティティがナノバブルではないと文書化されており
今回のAnanda J Jadhav氏の報告は、感度の低い実験手法であり、曖昧な結論であると、
手厳しく批判しています。
ただ、この著者もナノバブルの研究者であり、ナノバブルの存在を否定しているのではないのですが、
きっと厳格な方のようで、曖昧な結論が許せなかったのでしょう。

それにしても「まだまだ続くよ、論争」は、といった印象です。