ナノバブルとは何か!3

ナノバブルとは何か!3

今回は、平成28年度に行なわれた「ナノバブルの形成および挙動に関する大規模シミュレーション」
をご紹介します。

国立研究開発法人海洋研究開発機構の“地球シミュレータ”を使って行なわれた分析です。
以下が、アブストラクトです。
「ナノバブルの有効な製造方法、安定に存在する理由、機能をもつにいたる理由など、
いまだ説明されていない。
そこで、本研究では、気体と液体との界面を原子レベルで扱う大規模シミュレーションを
古典分子動力学で実施し、そのデータと分極の効果を考慮したYoung‐Laplace方程式を使い、
バブルの平衡条件に照らし合わせることで、原子論の側面からバブル形成の基本的条件を明らかにした」。

物理的素養がなければ、理解するにはなかなか難解な内容ですが、結論のみを紹介します。

「OHイオンやH3Oイオンのような+-イオン同士は束縛しながら界面付近にとどまる。
また、界面表面は分極しているが、この分極は水分子による影響が大きく、この水分子の分極から考えた
場合、実際で観察される100nm前後の半径のナノバブルでは、水中の圧力と気体の圧力差が1気圧弱で
安定しているという結果となった」

ナノバブルの表面がマイナスに帯電していると解説をいたるところで目にしますが、どうやら
OHイオン(-)がナノバルを囲っているということのようです。

かつて、「微粒子で安定化された泡」という論文を読んだことがありますが、微粒子が気液界面に
吸着すると、泡が安定化するというものでした。
浅薄な理解かもしれませんが、OHイオンを微粒子として捉えたなら、ナノバブルの安定化の理由も
納得できそうです。

「ナノバブルの形成および挙動に関する大規模シミュレーション」はここで読めます。
https://www.jamstec.go.jp/es/jp/project/sangyou_report/H27_DAIDO_METAL_jp.pdf

次回は、ナノバブルがなにゆえ機能をもつにいたるかを探っていきたいと思います。
また、同じナノバブルでも、作り方(発生方法)で、機能をもつもの、もたないものに分かれるのかと
いうテーマにもアプローチしていきたいと思っています。