続・農業革命6

続・農業革命6

今回のテーマは、根の呼吸です。

と言っても、根は呼吸しません。水が根から吸収される時に、
水に吸着している酸素を取り込んでいるのです。
ですから、吸収する水の酸素濃度が重要になります。
そして、この酸素は細胞膜を通して、ミトコンドリアに届けられます。
このことを「内呼吸」と言います。
植物の呼吸とは、この「内呼吸」のことです。

細胞内のミトコンドリアは、酸素を利用してATPというエネルギーを作り出します。
ATPは、タンパク質などの生体分子の合成や、細胞膜での物資の選択的輸送などのための
エネルギー源として利用されます。
いろいろ忘れていることも多いので、20年前に出版された黒岩常祥氏の
『ミトコンドリアはどこからきたか』を再読しました。
改めて、刺激的な内容でした。
入門編として、黒岩先生の解説を、Youtubeでご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=dk_mR-b7dV8

「内呼吸」から、ミトコンドリアへ話が飛んでしまいましたが、
根が水を吸収する仕組みについて説明します。

水分の吸収は、根細胞と根細胞外(水耕栽培の水や土壌中の水分)の、
内外の溶液濃度差で発生した浸透圧によって行なわれます。浸透圧とは、
「半透膜を隔てた溶液が存在した場合、その濃度が薄い方から濃い方へと
液体は移動していく」という現象です。
もう少し詳しく説明すると、水を透す膜で隔てられた内と外に、
濃度の異なる水があると、イオン濃度の低い水が、濃度の高い水に移動するということです。
この現象は、内と外のイオン濃度が平衡状態に達するまで続きます。

では、ナノバブルはこの半透膜を通過できるでしょうか。
恐らく、不可能です。
たとえ、養分を取り込む小さな孔があったとしても、100nm周辺のバブルのサイズでは、
その細孔を通過することは出来ないでしょう。
*酸素ナノバブル水という商品が販売されていますが、たとえ血管に入ることが出来たとしても、
毛細血管末端の細孔から細胞外液に流れ込むためには、その細孔の直径である6~10nm以下の
大きさのバブルでなければなりません。

ナノバブルは、ナノバブル化する時の気液混合力で水の酸素濃度を上げること、
ナノバブルとして水に滞留することで酸素濃度を保持するという働きをもちます。
*このイオン濃度とは、水素イオン濃度のことです。根の周り(細胞外)のpHは5です。
細胞内のpHは8程ですから、外の水素イオン濃度は内の水素イオン濃度の1000倍くらい濃いので、
水の吸収は、能動的な仕組みで起きています。
水分を放出する蒸散は、植物体の溶質濃度を高める作用があります。
第一ステップは、水をアポプラストに導入する過程と言えます。

次回は、植物がどの程度の酸素を必要とするかについて取り上げてみたいと思います。
純酸素を使った(酸素ボンベ)水耕栽培が流行りのようですが、空気ナノバブルで充分
ではないかという考えのもとに、考察していきたいと思っています。