ナノバブル!よもやま話4

ナノバブル よもやま話 4

これまでは、ナノバブルという存在それ自体にアプローチしてきました。
今回は少し別の角度からナノバブルを捉えてみたいと思います。
ナノバブルを生成する際に、どのような反応が起きているか、
ということを研究している学会があります。
化学工学会の気泡・液滴・微粒子分散工学分科会、日本混相流学会、
日本ソノケミストリー学会が代表的な団体です。

気体と液体の物質移動を含めた現象が進行する場所が「反応場」です。
ナノバブル生成の「反応場」では、強烈な気液混合が起こり、
その結果としてナノバブルが発生します。
液体に溶解しきれなかった気体が、ナノバブルになった、
と言い換えることもできるかもしれません。

そこで、今後、期待される「反応場」としてのナノバブル生成技術を紹介します。
オゾンとナノバブル技術を利用した白糖の精製です。
日本の製糖過程では、原料をしぼった液中に多量に含まれる色素成分を、
骨炭吸着法などで脱色しています。
しかし、骨炭の価格高騰などで、高効率な脱色法が模索されていました。
そこで、期待されたのがオゾンです。
オゾンは強力な脱色力をもっています。
また、脱色した後には酸素になりますので安全です。

千葉工業大学の尾上教授が実験をされています。
50マイクロメーターのオゾンバブルを、カラメル色素/スクロース混合水溶液に供給した際、
両色素成分の濃度が時間経過でどのように変化(減少)していったかを報告されています。
ご興味のある方は、こちらで読めます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sfj/68/6/68_308/_article/-char/ja

ここでひとつ仮説があります。
バブルをより微小化できる技術の方が、よりオゾン反応を高める事ができるのではないかというものです。
50マイクロの泡ではなく、ナノレベルの泡だったら、どこまでオゾン脱色ができるのか、
いつか試してみたいと思っています。

脱色だけでなく、オゾンには殺菌効果もあります。
もし、ナノバブル技術でオゾンとの気液混合反応が促進されるとなれば、
大いに需要が生まれるのではないかと思います。
最近では、水道水をオゾンで殺菌している浄水場が増えてきました。
東京の金町浄水場のホームページをみると大きなタンク内で、
オゾンでバブリングしている写真が載っています。バブリングは実に非効率です。
オゾンをナノバブル化する過程で、オゾン反応がどのように促進されるのか、
その結果、殺菌力がどこまで高められるのか、コロナ禍の今、挑戦してみたいテーマであります。