マイクロバブル・ナノバブル技術とは!5

もっと知りたいナノバブル

2021年05月28日

マイクロバブル・ナノバブル技術とは!5

オットー・ワールブルグという人物を御存じでしょうか。
1931年にノーベル医学生理学賞を受賞した細胞生理学者です。
癌細胞が低酸素濃度下において増殖することを明らかにしました。
すなわち、癌細胞では、ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化によるエネルギー産生力が低下し、
細胞質における嫌気性解糖系(ブドウ糖)を介したエネルギー産生が増加するという理論です。
これをワールブルグ効果と言います。
現在では、癌細胞は正常細胞の3?8倍ものブドウ糖を取り込まなければ、
生命活動を維持できないことも分かってきました。
また、2年前のノーベル医学生理学賞は、細胞が低酸素の状態に適応する
「低酸素応答」のメカニズムを解明した3人の研究者に贈られました。
生命活動の極めて基本的なプロセスの背後にある構造が明らかになっただけでなく、
貧血や癌など多くの病気の治療法や治療薬の開発につながるとも期待されています。

医療とは無縁な素人ですが、癌細胞が酸素を嫌うなら、
そこに酸素を送り込めば増殖を抑えられるのでないでしょうか。
ナノバブルは、ガス(気体)をデリバリーするカプセルです。
飽くまで思いつきですが、酸素ナノバブルを、もし癌細胞に流れ込ませることができるのなら、
低酸素状態を改善できるはずです。

そこで、「酸素ナノバブル」でググッてみました。
なんと、ぞろぞろ出てきます。それも、かなり高額な商品ですが、よく売れているようです。
ただ、どの解説を読んでも、いまひとつ理解できませんでした。
まず、酸素を内包したナノバブルが、飲んだ後、どのように吸収されるのかが書いてありません。
確か、飲んだ水は胃の中で30分ほど留まり、小腸へ到達して、粘膜から吸収されます。
果たして、ナノバブルは胃の中で壊れてしまわないのか、
小腸で吸収されるにはどこまで微小である必要があるのかなど、次々と疑問が湧いてきます。

ある酸素ナノバブルの解説には、超微小であるので、長期間の安定性(ナノバブルが壊れない)
をもっていると書いてありました。
内包する酸素を利用するはずが、壊れて外へ出てこないのなら、まったく意味が無いことになります。
例え、ナノバブルが細胞外液(体液)に流れ込んだとしても、排泄されるだけです。
ナノバブルは、「壊れて、なんぼ」の世界です。

ただ、EPR効果は期待できるかもしれません。
癌細胞は、ブドウ糖を取り込むために血管を新生します。
結構、急いで作るため、大きな孔が開いています。
「大きな」と言っても、30?80ナノメーターほどだそうですが、その孔の直径より小さなナノバブルなら、
その孔から癌細胞に流れ込み、集積する可能性があります。
この集積したナノバブルを、収束型超音波か衝撃波で壊すことができれば、癌治療に有効ではないかと思います。
あくまで素人考えですが、ナノバブルの可能性のひとつとして、注目していきたいと思っています。