ナノバブルとは何か!15

もっと知りたいナノバブル

2021年03月17日

ナノバブルとは何か!15

改めて、日刊工業新聞社の「ファインバブルとは 第一章」を読み返しました。
*海外の論文にはファインという表記はありません。
このコラムでは、長さの単位であるマイクロ・ナノを使用します。

ナノバブルの登場の項に、ナノバブルの安定性に関してさまざまな議論が行なわれていた
当時のことが書かれています。

「ナノバブルについては、比較的簡便な測定機器を使えば観察できるマイクロバブルにくらべて、
ずっと小さく不可視であるために、専門の研究者たちも容易に実験によって検証ができず、
しばらく足踏みが続くことになる。物理学者の視点からは、物理的に説明できないために、
ナノバブルの存在自体さえ疑われた。
この間先行する産業界や市場では、ナノバブルの効果であるのか否か不明なまま、
ナノバブル水の産業利用が試されたり、心無い業者によってはナノバブルがどの程度水中に
いるかを正しく計測していない商品や機器を市場で販売したりという事態が生ずるようになった。
その後ようやく、ナノバブルの計測機器と計測技術が登場し、
水中に存在するナノバブルの個数や直径分布を実験的に知ることができる段階に達した」。

弊社も企業倫理として、ホームページ上に計測結果を掲載しています。
ある大学関係者から「おたくのナノバブルは本物だ」というお言葉を頂戴したこともあります。

それはさておき本題に入ります。
ここまでナノバブルの安定性について書いてきました。
安定性を証明するために、ナノバブルの水と接している「面、もしくは層」について考察してきました。
ただその間、どうしても頭から離れなかった疑問があります。
バルク・ナノバブルとサーフェス・ナノバブルの「面、もしくは層」も同じ状態なのか? というものです。

なぜ疑問に思ったかというと、どこかで「別なもの」という記述を読んだ記憶があったからです。
*サーフェス・ナノバブルとは、疎水面上に吸着している半球状のナノバブルのことです。
日本語では、「固液界面ナノバブル」と言います。

本当に別なものなのでしょうか? なぜ、そんなことが起きるのでしょうか?

ちょっと寄り道になってしまいますが、次回は「サーフェス・ナノバブル」について考察してみます。