ナノバブル!よもやま話9

もっと知りたいナノバブル

2020年07月20日

ナノバブル よもやま話 9

今回も、オゾンナノバブルと殺菌について検証してみます。
まず、「オゾンナノバブル」「殺菌」で、Google検索してみました。
いくつかヒットしたのですが、どうもイマイチ得心できる報告がありません。
たとえば、オゾンナノバブル水で牡蠣のノロウィルスを殺菌したという
有名な報告があります。
立ち会ったことがないので詳しくは分かりませんが、オゾンナノバブル水を作って、
たとえば数日間経過したもので検証したのでしょうか。
ナノバブル技術(強力な気液混合力)で、作ってすぐのナノバブル水は、
オゾンが過飽和した殺菌力の高い「オゾン水」です。
オゾン水の殺菌効果には充分なエビデンスがあります。
どこにもこのことに触れていませんので、殺菌効果があったのは、オゾン水なのか、
オゾンナノバブル自体なのか、まったく分かりません。
たとえば次亜塩素酸水も、作ってすぐなら、塩素ガスが強力な酸化力で菌を殺します。
オゾン水と同じように、時間が経てばガスが抜けてしまいますので、殺菌力は消えていきます。
ナノバブル自体には殺菌力がないと考えています。内部にオゾンが入っていたとしても、
一個のナノバブルが裂開しても、飛び出してくるオゾンの量は微々たるものですから、
とても液中に多く存在する菌やウイルスを殺すことはできないのでは?
すべてのオゾンナノバブルが、同時に裂開でもしない限り、殺菌力のあるオゾン濃度
をもつオゾン水にはならないでしょう。
いくつかのオゾンナノバブルを扱っておられる企業様には、ぜひ、オゾンナノバブルを作成してから
1週間経ったオゾンナノバブル水(溶存ガスが抜けて、ナノバブルのみが存在すもの)
での殺菌力テストを実行していただけたらなと思います。

世界ではどうでしょうか。
「Nanobubble」「Ozone」「Sterilization」で検索してみました。
英文になった日本人の手になる報告が多く、海外で独自に検証した論文は見当たりませんでした。
いろいろ検索の幅を広げていくと、おもしろい記述に出会いました。
「従来のマイクロナノバブル発生方法で得られる最も小さな気泡径として50nmを有する
オゾンナノバブルを含む水溶液及びオゾンナノバブルを含まない水溶液をそれぞれ有する
細胞培養液を用いて、細菌やウイルスによる細胞の殺菌、または抗菌の効果を検証した。
検証は、細胞を培養した細胞培養液に、オゾンナノバブルを含む水溶液を使用して培養した
ウイルス浮遊液を混合した後、所定の時間インキュベーション培養することにより、
培養中の細胞にウイルス感染が発生するか否かを調べることによって行った。
その結果、オゾンナノバブルを含まない水溶液を使用する場合ではウイルスの発生が
観測されるのに対して、本発明によるオゾンナノバブルを含む水溶液を使用する場合は、
細胞に損傷、または損害を与えずにウイルスの発生を防止することができることが分かった。
さらに、50nm以上の気泡径を有するオゾンナノバブルを含む水溶液において、
ウイルスの発生を防止できる水溶液を使用する場合は、細胞が損傷、または損害を受けるが、
その一方で、細胞の損傷、または損害がまったく見られない水溶液を選んで使用するときは
ウイルスによる感染が発生しやすいことが分かった」。
そして、望ましいオゾンナノバブルの粒径は、2?10nmと書かれています。
いまのナノバブル技術では、粒径に関しては、せいぜい100nm近辺で「2nm?10nm」とは、
なんとも仰天するお話です。